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プロ野球界のパワハラ防止措置

日ハムの中田投手の暴力事件が、新聞記事などになりました。プロ野球ファンの私にとってはショッキングな出来事です。しかし、球団がしっかり、パワハラ防止措置義務を果たしたことについて、会社のコンプライアンスの意識の高さを感じました。

日刊スポーツ(2021/8/12)の記事によると、

「事件」は4日に起きた。エキシビションマッチDeNA戦(函館市千代台公園野球場)での試合前、ウオーミングアップ終了後だった。中田と、被害を受けた選手がベンチ裏で話していたところ、中田が突発的に腹を立てて、手を出したという。偶然居合わせた選手が止めて、その場は収まったが、被害に遭った選手から申し出があり、判明した。川村球団社長は「練習中に何かあったわけではない。被害を受けた選手には、なんら落ち度はない」と説明した。

暴力行為の事実を確認した球団は、「4番一塁」で先発出場して1回にタイムリーを放った中田を2回表で途中交代させ、球場からも退場させ、自宅謹慎を命じた。中田や暴行を受けた選手、他の選手やスタッフら関係者への調査を実施。被害を受けた選手から、大ごとにしたくないという申し出や、中田が深く反省していることを踏まえた上でも、厳しい処分が必要と判断。事実を公表した。また、被害に遭った選手のプライバシーを守るため、他の選手や首脳陣、スタッフへの取材等を厳に控えるようアナウンスした。被害選手はプレーへの支障はなかったため、病院には行かなかったという。

中田は暴力を働いた選手に謝罪し、「全面的に自分が悪い。チーム、関係者、家族に大変なことをした」との発言を繰り返している。被害選手とは「普段は懇意の2人だった」(川村球団社長)といい、当事者同士では和解も済んでいる。ただ中田は現在も自宅謹慎中で、球団施設で個人での自主練習は認める方針だが、同社長は「チーム練習には参加させず、ユニホームを着させることはありません」と再発防止に厳しい態度で臨む考えを示した。

恐らく、職場での身体的な攻撃があったということでパワハラの「1類型」に該当します。パワハラがあったと会社が判断したら再発防止の措置を講じなければなりません。出場停止、チーム練習参加禁止、ユニフォームの着用禁止という処分は再発防止に必要だと会社が判断したのでしょう。現在、パリーグでは最下位ですがもしかしたら、会社の再発防止措置の効果として、職場環境が改善され、順位も回復するかもしれません。中田投手にとってのダメージは大きいです。パワハラ行為者のダメージは本人だけではなく、家族にも、再就職などこれから先の職業活動にも影響します。

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