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年金抑制。コロナの影

年金額は2段階で改定する。物価・賃金の変化を反映する本来の改定と、高齢化に対応するため伸びを調整するマクロ経済スライドの適用だ。

16年の法改正で21年度からは、数値が低い賃金での改定に変更したため、本来の改定率はマイナス0.1%となった。つまり新ルールでは年金額は抑制されやすい。16年当時、野党の一部が「年金カット法案」と呼び反対したのもこのためだ。しかし従来の仕組みでは現役世代の賃金で決まる保険料収入の変化を年金給付の変化が上回るため年金財政が悪化し、若年層の将来の年金が圧迫される。

ただマクロ経済スライドは本来の改定率がプラスのとき適用する決まり。今回は適用せず、本来の改定率のマイナス0.1%が最終的な改定率になった。マイナス改定は4年ぶり。会社員の夫と専業主婦世帯のモデル年金月額は前年度より228円下がり22万496円となる。国民共通の基礎年金は同66円減の6万5075円だ。

改定の仕組みを知ることは新型コロナの年金への影響を考えるヒントにもなる。賃金については「経営の不透明感の高まりで20、21年度ともに減少しそう」(第一生命経済研究所の星野卓也副主任エコノミスト)との見方がある。実際、毎月勤労統計調査で20年4~11月の賃金(一般労働者)は前年同期比約2%の減少だ。

要注意なのは本来の改定率に影響する賃金変動率は2~4年度前の平均を使うこと。つまりコロナによる20年度の大きな賃金減は今回ではなく22~24年度に、来年度分は23~25年度の改定にじわり効いてくる。「本来の改定率はしばらくプラスになりづらそうだ」(星野氏)との声が増えている。

日経新聞2021/1/31

新型コロナが、近い将来の年金受給額にも影響を及ぼすと予想されています。これから受給する人が年金をお得に受給するために、厚生年金の加入月数を増やす、繰り下げなど一般的な増額の方法がありますが、加給年金を長期間もらえる夫婦の場合、繰り下げずに加給年金をフルにもらう方がお得なケースもあります。年金事務所や街角年金センターなどで個別の受給額を確認してみると良いです。

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